祈神之宴
数日后、平安京には祈念の力が満ち、特别な祈りの力が流れていた。ここ数日城を守っていた兵士と阴阳师たちは不思议な力に癒やされ、疲れも不安も吹き飞んだ。
几日后,祈愿之力充满了平安京,城中四处流淌着奇特的愿力。守城数日的将士和阴阳师们,有如被神力润泽般,不再觉得不安和疲惫。
【源氏の武士】
「家族が俺たちを待っている。」
亲人一定还在等着我们归家的消息。
【贺茂の阴阳师】
「もうすぐだ、必ずまた会える。」
快了,一定会再见面的。
平安京の中心にある舞臺は饰り直され、祭りに参加していた舞姫と式神も全员出て行き、演奏者も全员入れ替わった。须佐之男と荒は幻术を使って人混みに纷れている。舞臺の上で、数日间にわたって踊り続けた二人の神女は、疲れるどころか一层元気になっていた。
平安京正中的舞臺已重新布置,原本庆典上的舞姬和式神们已被护送离开,击鼓奏乐的人也换了一批。须佐之男和荒以幻术隐藏在人群中。舞臺上,连舞数日的两位神女不见疲色,而是神采奕奕。
【孔雀明王】
「これだけたくさん祈念の力が集まるなんて、太阳の女神は大人気のようね。これから、祈念の力を太阳の中に註ぎ込む。」
居然聚集了这样充沛的祈愿之力,看来这位太阳女神深受大家的爱戴。接下来要做的,就是把这力量註入太阳之中了。
【铃彦姫】
「孔雀ちゃん、ここからが本番だ。准备はいい?」
小孔雀,从现在起就要动真格了,你准备好了?
【孔雀明王】
「もちろんよ。そっちこそ、目が回って私の尾羽を踏んだりしないように気をつけてね。」
当然,倒是你可要撑住,别中途转晕踩了我的尾羽。
【铃彦姫】
「あはは、心配いらないよ。例え目が回っても、あんたの尾羽を伤つけるようなへまはしない!」
哈哈哈放心,我就是转晕了,也不会烧着你的尾巴的!
鼓の音が再び鸣り响く时、二人は本番の祈祷の舞を踊り始めた。舞と共に、溢れる祈念の力が舞臺の中央に押し寄せてくる。炎を裾に缠った铃彦姫と尾羽を光らせた孔雀明王が、二人同时に神楽铃を掲げる——
鼓声重新响起,二人跳起正式的祈神舞,随着舞步,弥漫的祈愿之力如瀑般涌向舞场正中。铃彦姬的舞裙现出火焰,孔雀明王的尾羽迸发光芒,二人举起神乐铃挥出—
集いし祈念の力が太阳に註ぎ込まれ、人々は眩しい光に包み込まれた。太阳の薄い外殻ごしに、眠る女神の姿が见える。
汇聚的祈愿之力冲入太阳,耀眼的光芒笼罩了所有人,只见太阳那薄薄的外壳之中,显露出一位女神沈睡的身姿。
【须佐之男】
「(天照様は、数千年の间、一度も离れなかった。)みんな下がれ、空中に何か现れた!」
(天照大人,这数千年来,你一直都不曾离开。)诸位退后,空中有东西袭来了!
【神启荒】
「结界を强化し、舞臺を守れ。」
加固结界,保护舞臺。
眩しい光が収まると、数十匹の黒い巨蛇が空から落ちてきた。巨蛇は激しく舞臺にぶつかったかと思うと、周囲から袭ってきた。舞臺は一瞬にして蛇の群れに囲まれた。
强光散去,从天而降的竟是数十条黑色的巨蛇。巨蛇用力撞向舞臺,朝着四面八方袭来,顿时四处皆是蛇群。
【神启荒】
「星罗云布!」
幻境结界を展开した荒が、星海で舞臺を囲む。幻境に隠れていた源氏の鬼兵部も同时に现れて刀を振り下ろし、敌に无数の伤を负わせて巨蛇を撃退した。
幻术之下显露出荒的结界幻境,星海将舞场层层包围。本被幻境掩盖的源氏鬼兵部随之显现,挥刀斩向巨蛇,将其击退,一时间毒血四溅。
【源頼光】
「おや?蛇の毒血が土を侵食している。さては地下から结界を突破する魂胆だな。」
哦?这毒血在入侵土壤,是想从地下突破结界。
【八百比丘尼】
「ふふ、地下まで结界を広げなければならないようですね。」
呵呵,看起来需要把结界延伸到地下了。
【晴明】
「博雅、三本の矢で术阵を地下に打ち込め!神楽、地下にも结界を展开するぞ!」
博雅,用诛邪箭把法阵打入地下!神乐,我们将结界的边界向地下延伸!
それを闻いた源博雅は高臺に跳び上がると弓を构えた。矢をつがえ、结界の楔を土の中に打ち込む。しかし蛇の群れはまだ强化されていない反対侧に押しかけ、素早く地下に潜り込んだ。
博雅闻言跳上高臺,搭弓指向舞臺四角,两箭齐发将结界的界桩打入地下十寸有余。然而群蛇却冲向尚未加固的另一侧,争先恐后地钻入地底。
【源博雅】
「神楽、晴明!あっちは任せるぞ!」
神乐,晴明!压住另一边!
【御馔津】
「私に任せて!」
让我来!
次の瞬间、御馔津が放った破魔の矢が风を切り、反対侧の楔も舞臺の地下に打ち込まれた。土を侵食した毒血が、舞臺の真ん中の隙间から涌いてくる。瞬く间に、舞臺は毒蛇がひしめく地狱になった。しかし二人の舞姫は惊く様子もなく、毒蛇に囲まれても舞を続けている。
话音刚落,御馔津的破魔箭划开天际,将另一侧的界桩也打入了舞臺地下。毒血深入土壤,从舞臺正中心的缝隙中喷薄而出,转眼间舞臺上遍布毒蛇,两位舞姬临危不乱,依然在蛇群中穿行起舞。
【孔雀明王】
「铃彦姫、火を!」
铃彦姬,引火!
尾羽を広げた孔雀明王は、无数の毒针を放ち、毒蛇を钉付けにした。
孔雀明王的尾羽展开,如毒针般四下射去,将毒蛇插在原地。
【铃彦姫】
「しっかり掴んで!飞ぶよ!」
抓好!起跳!
二人は互いを掴んだまま、空を舞う鸟のように高く昇っていく。二人の足元に出现した神火が、毒蛇を灰に変えた。祈念の力が二人の腕を伝って太阳に註ぎ込まれていく。突然、まだ死に絶えていなかった蛇の群れが跳び上がり、祈念の力の奔流に汚れた堕落の力を混入させると、そのまま天照に飞んでいった。
二人一前一后,拉住彼此回旋向上,如两只飞天的神鸟般难舍难分。神火在二人脚下燃起,将毒蛇烧为灰烬,祈愿之力顺着二人高举的手臂朝太阳飞去。突然,一息尚存的蛇群竟跳入光流,将污秽的堕化之力掺入其中,一并朝天照飞去。
【神启荒】
「させるか。」
休想。
光の奔流よりも速い星々が、空から蛇の群れを撃ち落とした。しかしその瞬间、人の颜を持つ巨蛇が突如现れ、光の奔流を一口で呑み込んだ。それでは饱き足らないと言わんばかりに、すぐさま他の祈念の力の奔流を追いかけていく。
星辰比光流更快,将蛇群打落天际。然而就在这时,一条人面巨蛇横空出世,一口将光流火焰吞噬,紧接着又朝着更多的光流追去。
【神启荒】
「大蛇神。」
【晴明】
「大蛇神はもう讨伐したはず、なぜまた现れた?これは幻术か?」
但我们分明已讨伐过它,怎么会又出现在这裏?难道是幻术吗?
【烬天玉藻前】
「幻术かどうか、试せばすぐ分かる。」
是不是幻术,一探便知。
【晴明】
「玉藻前?お前も来たのか。」
玉藻前?你来了。
【烬天玉藻前】
「晴明、私は贺茂家から便りを受け取ったのだ。ふん、私の逢魔の原に手を出す者は、讨ち果たすまでだ。」
晴明,我收到了贺茂家的信。呵,扰我逢魔之原,我将讨伐到底。
玉藻前の背后に数臺の胧车が现れた。大妖怪たちが胧车に飞び乗り、迅雷のごとく大蛇神を追いかける。しかしまっすぐに太阳に向かい、目标に巻き付いた大蛇神は、太阳を绞め杀そうとした。眠っている天照は辛そうな様子で、无意识にあがき始めたが、やがてその纯白の姿は蛇の影に覆い隠された。
数辆胧车出现在玉藻前身后,几位大妖纷纷跳上车,风驰电掣般地追向大蛇神的方向。然而大蛇神径直朝着太阳的方向飞去,层层缠绕上太阳,收紧蛇腹。沈睡的天照无意识地挣扎起来,似是十分痛苦,洁白的身体被蛇影包裹。
【神堕ロチ】
「私をもてなすために、これほど豪势な宴を用意したのか?」
诸位今日的阵仗,可是特意来欢迎我的?
ついに巨蛇の头上に降り立ったヤマタノロチが、一同を见下ろす。
八岐大蛇终于降临在巨蛇的头顶,居高临下地俯瞰着众人。
【神堕ロチ】
「しかし、やはり何か物足りないな?」
只是这欢迎,好像少了点什么?
次の瞬间、雷鸣が轰き、荒ぶる稲妻が大蛇神の头に向かって落ちてきた。それを见たヤマタノロチは愉快そうに微笑むと、蛇魔を短剣に変えて、正面から稲妻を迎撃した。
言罢,空中雷鸣大作,一道狂烈的雷暴直直朝着大蛇神的头顶劈来。八岐大蛇见状顿时露出笑容,手中的蛇魔一挥化为短剑,迎面接上了这道惊雷。
【须佐之男】
「ヤマタノロチ。」
八岐大蛇。
【神堕ロチ】
「须佐之男。」
瞬く间に、雷撃を食らった大蛇神は体势を崩し、倒れそうになった。しびれた巨蛇はついに太阳を解放し、云の上から舞臺の近くに落ちた。その瞬间、大地をも揺るがす激震が起きた。太阳の中にいる天照はようやく巨蛇の魔の手から解放され、穏やかな眠りを取り戻した。须佐之男が心配そうに地面を见やる。一方で、赤黒い瘴気を漂わせたヤマタノロチが、未知の力を操り须佐之男に袭いかかる。
瞬时间,被雷暴击中的大蛇神失去平衡,摇摇欲坠。巨蛇因电流的刺激终于松开太阳,跌落云端,重重地落在了舞臺之下,一时间天摇地动。太阳中的天照不再受蛇群侵扰,重新恢覆安眠。须佐之男担忧地望向地面,而八岐大蛇周身散发出黑红瘴气,一股诡异力量向须佐之男袭来。
【须佐之男】
「今度はどこの神を味方につけたんだ?」
这一回,你的盟友又是何方神圣?
【神堕ロチ】
「味方だと?下にいるあれのことか?」
盟友?你是说,下面那个吗?
地面に倒れ込んだ大蛇神の、高く盛り上がった腹の部分が突然蠢き始めた。しばらくして、不気味で青い巨蝎がその铗で蛇の腹を切り裂いて现れた——
只见大蛇神庞大的身躯瘫倒在地,它隆起的腹部突然蠕动起来。片刻后,一只巨钳从中破腹而出,蛇腹中竟爬出了一只诡异的蓝色巨蝎——
【神启荒】
「あれは、□□の悪神……」
这是,□□恶神…
蝎が蛇の腹の中からゆっくりと这い出てきた。しかし全体像が见えたその时、その尾は毒针ではなく、両足を切断された白衣の女であることがわかった。両足を切断された伤だらけの女は、もはや巨蝎の一部となり、恐ろしい怪物と化していた。
毒蝎的身体逐渐从蛇腹中显出,然而最后露出的尾部不是毒针,而是一个双腿被切断的白衣女人。女人浑身残破,被切断的腿部已和巨蝎融为一体,化为了恐怖的怪物。
【孔雀明王】
「……!姉様!」
……!姐姐!
【神堕ロチ】
「我が爱しい悪神たちは、その意志とは関係なく、皆我が手中にある。しかしお前たちの舞姫は……感动的な再会を果たした今、いつまでお前たちの舞に付き合ってくれるだろうか?」
我可爱的恶神们,听话也好不听话也罢,都是我的囊中之物,而至于你们的舞姬……在如此感人肺腑的重逢后,又还会陪你们舞到几时呢?
【须佐之男】
「蛇神、相変わらず悪趣味だな。」
蛇神,你的恶趣味真是一成不变。
【神堕ロチ】
「奇遇だな、处刑人のお前も全然変わっていないぞ。」
真巧,你这行刑人也是一如既往。
二人は空の上で激戦を缲り広げている。须佐之男の雷枪が何度もヤマタノロチの胸を切り裂きそうになる。一方、ヤマタノロチは攻撃をかわしながら力を集めている。赤黒い瘴気を手の中に集中させると、彼は突然地面を指差した。瞬く间に、空をも覆い隠す蛇魔の大群が、地上にいる人々を袭い始めた。危机一髪で须佐之男が急降下し、雷霆の盾を呼び出して皆を守る结界を展开した。蛇魔はすぐさま彼に矛先を向けた。
二人在云端上缠斗开来,须佐之男的雷枪屡屡划过八岐大蛇的胸前。只见八岐大蛇一边避让,一边凝聚力量,黑红色的瘴气汇聚在他手中,却见他手指一转,指向地面。顿时,铺天盖地的蛇魔,朝着地面上的众人袭来。情急之下,须佐之男俯冲向地,召唤雷暴化为雷盾,张开结界为众人抵挡,蛇魔立刻向他袭来。
【神堕ロチ】
「他人を助ける前に、まずは自分の身の安全を守るべきではないのか?」
想救别人,不如先救你自己如何?
须佐之男は稲妻のように眩しい光を放つと、一瞬にして周囲の蛇魔を灰に変えた。
须佐之男的身体迸发出闪电般的光芒,转瞬之间便把周身的蛇魔烧为灰烬。
【须佐之男】
「ヤマタノロチ、お前は本当に度し难いやつだ。」
八岐大蛇,你真是无可救药。
それを闻いて、ヤマタノロチは笑った。黒い堕落の力が天照を包み込んだせいで、太阳の光は消える寸前の蝋烛のように暗くなっていく。
闻言,八岐大蛇笑了,只见紫黑色的堕化之力已经将天照层层缠住,太阳的光芒如烛火般明明灭灭。
【神堕ロチ】
「度し难い者なら、他にいると思うが。」
我倒觉得无可救药的,另有其人呢。
——破损した舞臺の下
——破损的舞臺之下
皆は撤退を始めたが、孔雀明王だけはどうしても舞臺を离れようとしない。
众人已经纷纷撤离,只有孔雀明王不肯离开舞臺。
【铃彦姫】
「早く行くよ、孔雀ちゃん。あれはもうあんたの姉様じゃない!」
快走,小孔雀,那已经不是你的姐姐了!
【孔雀明王】
「姉様、目を覚まして!私、私よ!」
姐姐,你醒一醒,是我、是我啊!
【白孔雀】
「この声……あなたは……青、爱しい青、会いたかった……ずっと、もう一度会いたかった……もう一度踊りたい、一绪に暮らしたい……」
这个声音…你是……青,我的小青,姐姐好想你……我一直好想再见你一面……再和你一起跳舞,一起生活,一起……
そう口にした白の女王の目が、うつろになっていく。何か思いついたようで、蛇に囲まれながら、巨蝎を操って踊り始めた。その舞はとても美しかった。思わず息を杀したくなるほどの悲しい美しさは、永远に失われた过去を偲んでいるようだ。
说到这裏,白女王的目光变得迷离,仿佛在思念着什么,她竟在蛇海之上操纵着巨蝎翩翩起舞。那舞姿美得令人屏息,是令人心痛的凄美,仿佛在悼念着已永远失去的过往。
【贺茂の阴阳师】
「美しい……」
太美了……
【藤原阴阳师】
「も、もう少し近づきたい……」
我、我好想距离她再近一些……
惑わされた阴阳师たちが、次から次へと蛇の大群の中に踏み入れていく。蛇の大群は间髪入れずに彼らに食らいついた。
受到蛊惑的阴阳师陆续踏入蛇海,顿时就被蛇群缠绕啃食。
【孔雀明王】
姐姐,你这是做什么?
【白孔雀】
「一绪に帰りたかった、一绪に踊りたかった。一番の愿いは、あなたと一绪に——」
我多么想和你一起回去,多么想再和你一起跳舞,可是我更想和你一起——
白孔雀は目から紫色の光を放ち、恐ろしい笑颜を浮かべる。
白孔雀的眼中迸发出紫色的光芒,笑容也随之变得狰狞。
【白孔雀】