「——私たちをいたぶり、裏切る者を皆杀しにしたい!」
—杀光世上所有欺我们,负我们的人!
孔雀明王が呆気に取られた瞬间、ようやく会えた姉は突然彼女に向かって毒针を放った。
孔雀明王一楞,却见久别重逢的姐姐突然朝自己射出毒针。
【晴明】
「孔雀明王様!」
孔雀明王大人!
【铃彦姫】
「孔雀ちゃん、危ない!」
小孔雀,小心!
追い诘められた孔雀明王が羽を飞ばして迎撃しようとした时、突然出现した闇がすべてを呑み込んだ。
孔雀明王情急之下射出羽毛欲迎战,然而就在这时,黑暗骤然降临吞没了一切。
気がつくと、彼女は莲でできた船の上にいた。
回过神时,她已在一朵莲花形成的扁舟之上。
【帝釈天】
「白の女王は幻术に长けている。あの场にいた阴阳师たちを魅了しただけでなく、彼女と□□の悪神の姿を隠すために光をも遮断した。そこで、私は幻术の中にもう一つの幻境を作った。こうすれば、私たちには彼女が见えないが、同时に彼女も私たちを见つけられない。しかしいつまでも通じる手ではない。なぜならば——」
白女王幻术了得,不仅魅惑了在场的阴阳师,还遮蔽了所有的光亮,让人难以寻到她和□□恶神的踪影。我便在幻术裏又套了一层幻术,这样一来我们虽看不见她,她也一时无法找到我们的所在。但这不是长久之计,毕竟——
その时、千本以上の毒针が正面から二人を袭ってきた。攻撃を受けて、莲の船は闇の中に消えた。帝釈天が幻境を维持している间に、孔雀明王は毒针を放って敌の毒针を撃ち落とした。しかし攻撃を防ぎきれなかったせいで一撃を食らってしまった。
就在这时,万箭齐发的毒针从正面朝着二人射来,莲花的扁舟中针消失在黑暗裏。帝释天抬手维持幻境,孔雀明王则同时射出毒针,堪堪将对方的毒针击落,却仍旧是中了一针。
【孔雀明王】
「敌の攻撃范囲が広すぎる。方向がわからなくても、当てることができてしまう。私も同じ技を使えるけれど、闇の中には幻术に惑わされた人々がいる。こんな卑怯な手、姉様が使うはずはないのに……」
毕竟对方的攻击范围太广了,就算找不准方向,也可以歪打正着。我虽能使出同样的招数,但这黑暗的幻境中还沈睡着被幻术蛊惑的无辜之人。这卑鄙的做法,怎么想也不该是出自姐姐之手…
【帝釈天】
「悪神は卑怯だからな。やめる気がないようなら、一旦胜たせてやろう。」
恶神行事卑鄙,既然他不肯停手,我们就让他得逞一时。
闇云に放たれた毒针がありとあらゆる方向から袭いかかる。闇の中に出现したいくつもの莲が、毒针攻撃を受けて転がる死体に姿を変える。二人が乗っていた莲の船も、血だまりの中に倒れる孔雀明王の姿になった。それを目にした悪神は、予想通り攻撃を中止した。闇の中で正体を现した悪神が、黙って死体に近寄ってくる。时を同じくして、幻境に巻き込まれた人々も次々と莲の幻影の下から这い出してきた。帝釈天は彼らの気配を隠し、白莲で导いている。
毒针毫无章法地自四面八方袭来,黑暗生出朵朵莲花,中针之后化为一具具尸体倒在地上。二人脚下的莲舟也化为孔雀明王的样子,倒在了血泊之中。恶神见状果然停止了攻击,于黑暗中显露真身,沈默地朝着尸体而来。与此同时,被卷入幻境中的其他人陆续从莲花的幻像之下爬出,帝释天抹去了他们的气息,以白莲点亮了道路。
【帝釈天】
「先に幻境を脱出するんだ、悪神は私に任せてくれ。」
诸位先逃出幻境,我来拦住恶神。
意外なことに、孔雀明王の死体を目にした白の女王は突然苦しそうにもがき始めた。まるで狂ったかのように、巨蝎の尾から自分自身を切り落とそうとしている。
然而,看到孔雀明王尸体的白女王突然痛苦地扭动起来,发狂般地想将自己的身体撕离巨蝎尾部。
【白孔雀】
「いや……いやだ、离せ、悪魔め!死になさい……全员死になさい!」
不……不,放开我,你这恶魔!去死吧……你们全都去死!
気が狂った白孔雀は、何の兆しもなく突然幻境の构造を変えた。周囲の空间が崩壊し、中心へと圧缩されていく。巨蝎も闇云に毒针を射出し始めた。撤退する人々が巻き込まれる寸前で、帝釈天はすかさず霊神体を呼び出し崩壊していく幻境を支えた。
发狂的白孔雀毫无征兆地变幻幻境的构造,四周的空间如同吃人的巨口般不断向中心坍塌,巨蝎同样胡乱射出毒针。眼看就要波及来不及撤出的人,帝释天立刻召唤灵神体支撑住了坍塌中的幻境。
【孔雀明王】
「こっちよ!」
快跟我来!
【帝釈天】
「これは……」
这是…
间一髪で突然幻境に现れた一本の真っ黒な触手が、二人を庇って毒针攻撃を受け止めた。
危急之下,一条漆黑的触手突然自幻境中生出,将二人层层裹住挡下了毒针。
【孔雀明王】
「敌か味方か?」
是敌是友?
【帝釈天】
「……味方だ。」
……是友。
【神启荒】
「しっかり掴め。」
抓紧。
次の瞬间、星海が闇を切り裂き、悪神の幻境を完全に破壊した。星々が夜空を、闇の最果てで踊る白の女王を照らした。
紧接着,星海冲破黑暗,将恶神的幻境彻底撕碎,点点星光点亮了夜空,同时也照亮了在黑暗尽头翩翩起舞的白女王。
【神启荒】
「今だ。」
趁现在。
【孔雀明王】
「私の羽を追って!」
追上我的羽毛!
【神启荒】
「陨星!」
孔雀明王が巨蝎に向かって鋭い尾羽を放った。尾羽に追いつくと、流星は尾羽と一つになり、浄化の神力が宿る毒针となった。浄化の力を持つ毒针は敌の関节の隙间に当たり、そのまま外殻を贯いた。次の瞬间、毒针は次々に巨蝎の体内で爆発した。体の中からの攻撃を受けた巨蝎は、苦しそうにもだえ始めた。同时に尾の部分にいる白孔雀も苦しそうに眉をひそめた。
只见,孔雀明王朝着巨蝎射出尖利的尾羽,流星追上那尾羽,二者在星海中合二为一,化为燃烧着凈化神力的毒针。带有凈化之力的毒针射入了关节的缝隙处,刺穿了巨蝎的外壳,在它的体内一个接一个地引爆。巨蝎腹背受敌,痛苦地蜷缩起来,而尾部的白孔雀竟也同样痛苦万分。
【白孔雀】
「青、青……どうしてこんなことを?あなたも彼らと同じなの?まさかあなたも、私が国を裏切った悪女だと信じているの?」
小青,小青……你为什么要这么对我?难道你也和他们一样吗?难道,你也相信,我就是那叛国的妖女吗?
泣き崩れる白の女王を前にして、孔雀明王は戸惑った。
面对白女王的啜泣,孔雀明王迟疑了。
【孔雀明王】
「违う……彼らの话なんて、私は一度も信じなかった。」
不是的…我自始至终,都不曾相信过他们的话。
【神启荒】
「危ない。」
小心。
巨蝎は幻境のあちこちに毒针を仕込んでいた。白の女王が泣き崩れたその瞬间、毒针は一斉に彼らに袭いかかった——
毒蝎竟在幻境四处藏下待命的毒针,在这一瞬间皆在白女王的哭诉声中,朝着他们射了过来——
——その顷、太阳の近くの空须佐之男が身を挺して太阳を庇った。
——与此同时,太阳附近的天空中须佐之男以身躯挡在太阳前。
【须佐之男】
「雷盾。」
际限なく発生する稲妻が、太阳を包み込み、守っている。同时に纺ぎ出された巨大な雷の网が、结界の代わりに蛇の大群と人々を隔てた。しかし无限にいる蛇魔もまた、太阳を囲んで食らいつき、毒で雷を打ち消している。
源源不断的雷电化为保护层罩在太阳外侧,同时织成一张巨大的电网,如同结界般将蛇群和舞臺之下的众人隔绝。然而蛇魔也无穷无尽,围在太阳上啃食,以毒素侵蚀雷电。
【神堕ロチ】
「千年前からずっと思っていた。处刑神と名乗ってはいるが、お前は何よりも守ることを优先する。果たしてお前は役割を间违えたのか?それとも守るべき者を间违えたのか?天照直々に处刑の神に任命されたのに、その両手は处刑のためにあるくせに、人々のためなどと、ふざけたことを——」
千年前我就觉得,你虽自称是处刑神,但却素来以守护为先。究竟是你选错了自己的职责,还是选错了该守护的人?你是天照亲封的处刑之神,你的双手,本就是为了行刑而生,却说是为世人而来——
最后の言叶を口にする前に、突然巨大な枪に下から袭われたヤマタノロチは、素早く后ろに下がった。须佐之男は再び巨大な化身を呼び出した。巨神は太阳を持ち上げると、蛇の大群をことごとく引き裂き、あっという间に敌を一扫した。
话音未落,一柄巨枪突然自下而上刺来,八岐大蛇迅速退后。只见,须佐之男的巨神法相已然重新现世,巨大的身躯托起太阳,将缠绕其上的蛇群尽数撕裂,顿时毒蛇被一扫而空。
【须佐之男】
「お前のおかげで思い出した。」
你倒提醒了我。
彼の背后では、金色の巨神が太阳を高く掲げ、ヤマタノロチを睨みつけている。
在他的身后,金色的巨神手捧太阳,高举过头顶,金色的双目凝视着八岐大蛇的方向。
【须佐之男】
「この腕は、守るためにある。そしてまた、杀すこともできる——」
这双手,是为守护而生。也是,为杀戮而生——
剎那の间に、须佐之男は金色の稲妻を缠うと、ヤマタノロチに袭いかかった。稲妻の隙间を駆けるヤマタノロチは、时に蛇魔を呼び出して攻撃を防ぎながら上へと昇っていく。蛇剣を持った彼がとうとう太阳の正面にやってきた时、突然现れた雷枪が彼の攻撃を防いだ。突如现れてヤマタノロチの体を贯いた雷枪は、彼を巨神の手の中に钉付けにした。
剎那间,须佐之男周身迸发出金色的闪电,朝着八岐大蛇袭来。八岐大蛇在闪电中躲闪,唤出蛇魔挡下攻击一路向上,终于手持蛇剑来到了太阳的前方,却被雷枪一枪抵挡。雷枪猛然贯穿了八岐大蛇的身体,将他钉在了金色巨神的掌心之中。
【须佐之男】
「この世界の未来のために、相手が谁であろうと、俺は必ず处刑を贯く。」
为了世界的未来,无论是谁,我都会处刑到底。
痛みに苦しむヤマタノロチは目を开け、头上にいる天照を见つめる。胸を贯いた雷枪を抜こうと试みたものの、それは微动だにせず、彼は思わず笑った。
八岐大蛇吃痛地睁开双目,看向头顶的天照,他握住胸前的雷枪,试图将之拔出,然而雷枪却岿然不动,于是他笑道。
【神堕ロチ】
「つまり、胜利はお前にとって容易いものなのだな。」
既然如此,那么胜利于你而言已唾手可得了。
その时、星海を操る荒からの连络の星が须佐之男の侧に现れた。
此时,一枚星辰浮现在须佐之男身侧,正是荒以星海发出联系。
【神启荒】
「これまで不利な状况に追い込まれるたびに、ヤマタノロチは必ず罠を仕挂けてきた。今回は违うという保证はない。あの怪しい呪いの烙印のことを覚えているか?」
至今为止每次八岐大蛇落难,都会设下陷阱,这次也难保再出变数,你还记得那个诡异的诅咒印记吗?
【须佐之男】
「ああ、あの烙印はヤマタノロチの协力者と何らかの関係があるものだろう。まずはヤマタノロチを捕缚し、ここで见张っておく。□□の神は任せた。」
不错,这印记必然与八岐大蛇的盟友有关。我先将八岐大蛇抓捕,在此看押,□□之神就交由你们了。
【神启荒】
「千年経って、ようやく忠告を闻き入れてくれるようになったか。」
看来千年过去,你还知道听劝了。
【须佐之男】
「なんだその根拠のない皮肉は?今まで一度でも君の忠告を无下にしたことがあったか?」
这话从何说起,你自小劝我的话,哪次我不听了?
【神启荒】
「そうだな、それでも危険を顾みることはなかったが。」
嗯,只是下次还敢罢了。
——破损した舞臺の下
——破损的舞臺之下
荒が再び闇に目を向ける。
荒再度看向眼前的黑暗。
【神启荒】
「君の姉は気が狂ったように、自らの命を削って幻境の构造を変え続けている。星海の辉きさえも、彼女の幻术に遮断されてしまった。」
你的姐姐发狂一般以死相搏,不惜消耗自己的性命一次次变化幻境。却是连星海的光辉,都被她的幻术所遮蔽了。
【孔雀明王】
「姉様の気配は完全に消えてはいない。」
姐姐她并没有完全遮蔽自己的气息。
【神启荒】
「ほう?」
哦?
【孔雀明王】
「私たちは幼い顷に舞姫として选ばれ、孔雀の国の繁栄のために悪神に命を捧げる使命を背负ってきた。物心がついた时から、私は舞の练习に打ち込んできた。だからどんなに离れていても、悪神の気配を见过ごすことはない。それに幼い顷からずっと姉様と暮らしていたから、例え五感を失っても、私は彼女のもとに帰ることができる。」
我们是自幼就被挑选的舞姬,为换取孔雀国的繁荣,将生命献给恶神。我从记事时起就苦练舞蹈,对恶神的气息极为敏感,哪怕在千裏之外也能察觉。而我从小就和姐姐一起长大,纵使失去五感,我也能够一个人回她的身旁。
【神启荒】
「星海は遮断されたが、辉きを失くしたわけではない。そもそも星々の辉きは现実ではなく、より高次元の「未来」にある。もし无限に広がる闇の中で悪神の気配を、姉の気配を感じ取れるなら、现在を通じて、「未来」にいる彼らに目を向けてみるといい。」
星海被遮蔽,但并非真的丧失了光辉,众星的光芒原本就并非现实,而是流淌在更高维度的「未来」。若你能在这无边的黑暗中感知到恶神,感知到你的姐姐,那么,就试着通过现在,去看向「未来」的他们。
【孔雀明王】
「「未来」に目を向ける?一体どうやって……?」
看向「未来」?但是要如何做…?
【神启荒】
「君の场合、彼女の运命の旋律を感じればいいはずだ。いわゆる运命とは、过去から未来へと流れてゆく奔流のこと。」
对于你的话,去感受她命运的旋律。而所谓命运,正是一道从过去流淌至未来的洪流。
【孔雀明王】
「过去……」
过去么……
孔雀明王は目を闭じ、姉と过ごした楽しい时间を思い返す。彼女の姉は、腰に手を当てている。一方、幼い自分は姉の足を踏み、そのまま姉に导かれている。初春に体を伸ばす花のように、彼女は闇の中でおもむろに踊り出した。
孔雀明王闭上双眼,脑海中浮现起二人快乐的往昔。姐姐的手抱着自己的腰,年幼的自己踩在姐姐的脚背上,任由姐姐引导。如同初春的花儿一般伸展着肢体,在黑暗中缓缓起舞。
【白孔雀】
「一歩、また一歩……旋律に合わせて、神の声に耳をすますの。青、闻こえた?あれは风に揺れる麦の穂の音、咲き乱れる花の音、水と大地の音。すべては神の声、私たちが守っている故郷の音よ。闻こえたかしら?」
一步,两步……不要忘记心中的鼓点,记得去聆听神明的声音。青,你听到了吗?那是风吹麦穗的声音,是花儿盛开的声音,是流水和大地的声音。这一切的一切,都是神明的声音,是我们所守护的家园的声音。你听到了吗?
【青】
「私……そんなに远くの音は闻こえないし、远くにいる神様に触れることもできない。でも闻こえた音もある……」
我……我听不到那么遥远的声音,也触不到那么遥远的神明,但是我听到了……
幼い青孔雀は、目を闭じて笑颜を浮かべると、そのまま姉に抱きついた。
年幼的小孔雀闭着眼,露出笑容,任由自己靠进姐姐的怀抱裏。
【青】
「私が闻いたのは——」
我听到的是——
【孔雀明王】
「私が闻いたのは、姉様の……心臓の鼓动——」
我听到的是,姐姐你…心跳的声音——
恐ろしい形相をした白の女王が、闇の中に现れた。その鋭い爪が、孔雀明王の目の前に迫る。しかし、この未来を见通した尾羽が、その攻撃よりも早く巨蝎の殻を贯き、そのまま蝎の尾のほうに飞んでいった——
悪神の硬い外殻は粉々に砕け、无限に広がる闇もひび割れ始めた。次の瞬间、风の音、水の音、星の辉き、そのすべてが闭锁された静かな世界に入り込み、内部から世界を壊していった。漆黒の幻境が、世界の足元で轰音を立てて崩れていく——
黑暗中浮现出白女王狰狞的相貌,利爪已伸到了孔雀明王的眼前。然而,更快一筹的是看透这未来的一片尾羽,它如利箭一般划开了巨蝎的躯壳,一路朝着蝎尾的方向而去——
恶神坚硬的外壳骤然粉碎,无尽的黑暗也显露出道道裂痕。片刻之后,风声,水声,星光,争先恐后地冲进这静谧封闭的世界当中,从内部将其撕裂。漆黑的幻境,在世界的脚下,轰然倒塌——
【孔雀明王】
「□□の神、私はもう幻境に囚われたりしない。过去は恋しく思うけれど、过去に留まりはしない。すべてを失った私は、背后の奈落に呑み込まれないためには、前に进み続けるしかない。そして今、私は奈落となる。あなたを呑み込んで、葬り去ってあげる。」
□□之神,幻境早已不能将我困住,我会留恋于过去,却不会停留在过去。因为,对失去一切的我而言,唯有不停奔跑,才不会被身后的深渊吞噬。而如今,我就是这深渊。我会将你吞噬,将你葬送。